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この時計の全体的なスタイルは、サイズや日付なしのレイアウトなど、オリジナルモデルを事実上1対1でリメイクしたものだ。

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フォトセッションのあいだ、この時計について話をした。彼はブロンズのケースについて質問し、変色について聞いてきた。時計愛好家のあいだでは、エイジングは個人の時計物語の一部であるから、これを「変色」ではなく「パティーナ」と呼ぶことが多いと話した。私は必ずしもそのような考えを持っているわけではないが。ちょっと大げさな気がするのだ。ケースバックは低刺激性のチタン製で、肌を刺激したり変色したりすることはない(ただし、ケースの下側にある他の部分はブロンズ製でケースバックを取り囲んでいるため、何とも言えない)。時計を外し、彼にレトロなレジェンドダイバーのモチーフの刻印を見せた。ケースバックの裏には、ロンジンのCal.L888が搭載されている。このキャリバーはETA社製で、64時間のパワーリザーブを備えている。

42mm幅のゴールドブロンズのケースは、彼の手首にしっくりと馴染んだ。彼は、力仕事のせいで時計を壊すことを恐れて、普段時計を身につけていない。個人的には考え直していいと思うし、何度かそう言ったこともある。今年のクリスマスツリーの下に、不思議なことにG-SHOCKが置かれていたとしても、驚かないで欲しい。

彼には、この時計の背景を少し話した。このケーススタイルは、1960年代初頭にスイスのEPSA社が、可能な限りの防水性を備えた時計を作るために、スーパーコンプレッサーと呼ばれるケースの製造を開始したことに始まる。スーパーコンプレッサーでも最も人気のあるバージョンのひとつが、このモデルに見られるデュアルクラウン・スタイルだ。トップのリューズを外すとダイブタイム用のインナーベゼルが作動し、従来のリューズを外すと時刻合わせができるようになっている。この時計の全体的なスタイルは、サイズや日付なしのレイアウトなど、オリジナルモデルを事実上1対1でリメイクしたものだ。

私たちはベゼルを制御するリューズをゆるめ、両方向に回した。そして、ダイブタイマーの仕組みを簡単に説明した - ベゼルの矢印と分針を合わせ、ベゼル上のその基準点をもとに5分単位の印と1分毎のハッシュマークによって時間を計る。

 ブロンズの面白いところは(パティーナ以前の状態では)、ゴールドのように見えることだ。このレジェンドダイバーも同様で、新品のときはまるで5桁ドルのゴールドウォッチのように見える。しかし実際には、このゴールドは緑や茶色の錆び色に変化し、明らかに豪華さの減った見た目になる。新しければ、艶やかなゴールドのままグリーンの文字盤とブロンズ(金のようなブロンズ)のコントラストはとてもきれいだ。ブロンズに緑青が増えてきた後、このコントラストがどうなるのか興味をそそられる。

文字盤の時刻表示レイアウトについて言えば、「Automatic」のスクリプトフォントやアラビア数字のレトロな形状に至るまで、60年代の忠実な再現だ。この時計らしさはグリーンの色にある。ロンジンは単に文字盤の色を変えただけではない。その代わりに、スモークあるいはフュメの効果を選択した。グリーンは中央部で最も強く、ベゼルに近づくにつれほぼ漆黒になっていく。まるで60年以上もの間、太陽の下で過ごしたことで文字盤が自然に色褪せたかのようで、ケース素材の経年変化ともマッチする美しい仕上がりとなっている。


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