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時計を買うときの面白いエピソードを教えてください。

残念なことに、私の時計購入のほとんどはコロナ禍でのものです。そのためあまりユーモアがありませんでした。しかし、私が一番好きなのは、今まで知らなかった時計を発見することです。我々のショップにはたくさんの時計が入荷しますが、例えばロレックスのターノグラフの緑の針を備えたモデルは、アジア市場向けにのみ作られた限定品であることがわかります。オメガのジャンピングアワーは、日本のディーラーで見つけてひと目惚れしました。Crown & Caliberで購入できなかったときは、それから数ヵ月かけて自分のコレクションにふさわしいものを探しています。

バイヤーたちが時計をどのようにして購入するのか、ほとんどの人は知らないのではないでしょうか。時計はどこから来るのでしょう?
 ほとんどの時計は、不要になった時計や下取りに出したい時計を個人が売ってくれたものです。また、卸売り業者や展示会で購入した時計も在庫として補充しています。いずれにしても、買取チームは、時計の状態、箱や書類の有無、過去の販売実績、現在の市場の状況などを見て、適正な価格を提示します。

 社内に時計が届くと、サービスが必要かどうか、以前は知られていなかった欠陥があるかどうかをテストします。その後、最終的なオファーがお客様に送られ、受け入れられればその時計の代金を支払い、断られればその時計をお客様に返送することになります。この仕事では、現在の市場をよく理解し、どんな新しい時計が出るのか、あるいは製造中止になるのか、それが市場にどのような影響を与えるのかを理解する必要があります。もともと時計を見たり調べたりするのが好きだった私のような人間にはぴったりの仕事です。

Crown & Caliberのために調達するとしたら、どんな時計がワクワクしますか?
 カルティエのタンク スケルトンを手に入れることができたのはとてもよかったし、いつかロトンド ドゥ カルティエ ミステリアスアワー スケルトンを手に入れたいと思っています。しかし、私のなかの聖杯は、ヴァシュロン・コンスタンタンのメティエ・ダール・エレガンス・サルトリアルで、特にヘリンボーン模様のもの(1400U/000R-B159)ですね。長いあいだ、私の聖杯なのですが、いまだに実物を見たことがありません。もしかしたら、「自分のヒーローに会ってはいけない」というもののひとつで、期待に応えられないかもしれませんが、いつか調達したいと思っています。

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